子供を宿す。(結晶)
女に生まれて来て。。
女として教育を受け。
絵に書いたような家庭を作る事が自分の幸福だったかもしれない。
現実は、厳しく。
努力。
忍耐。
我慢。
望まれて生まれて来るはずの命も。。
まるで副産物のように扱われ。。
結婚という2文字がうすっぺらな紙切れに変わって行った。
それでも女性は、結婚に希望を抱き。。夢を抱き。。安穏を抱いた。
絵に書いたような家庭ではなかった親の生活を嫌いながら。。
反面教師として反発をして違う道を歩もうとして来た。
でもそれに反発すればするほど。。
似ている生き方。
自分を嫌っていた事に気付いた。
確かに親は、苦しんでいた。
でも私の知らないところでは繋がって愛し合って私が生まれた。
確かに幸せな瞬もいくつもあった。
忘れていたのは、私。
確かに父だった。
確かに母だった。
そして今でもそれは変わらない。
それで良かった。
それが良かった。
結晶である自分。
父と母を選んだのも自分。
そして結晶がまた結晶を産み育む。
美しい結晶の作り出す世界。。
この世界には、全てが存在する。